僕等がいた
永遠はあるよ
――小畑友紀『僕等がいた』より
どんな話?
高校に入学した高橋七美が好きになり、付き合い始めたのは、女子に人気でクラスの中心にいる矢野元晴。 いつも明るい彼ですが、元カノと死別した過去を引きずっています。
矢野のトラウマは、過去に付き合っていた山本奈々が、元カレと一緒に車の事故で亡くなったこと。 裏切られたことに強いショックを受けていて、彼女である七美への執着もかなり強いものです。 さらに矢野は、奈々の妹・有里とも関係を持ってしまい、そのことにも罪の意識を感じています。
過去に向き合い、近づいたり離れたりを繰り返しながらも、結びつきを強くしていく矢野と七美。 それを見守るのが、矢野の親友で、七美に想いを寄せる竹内匡史です。
ようやく乗り越えたかと思った矢先、矢野の母親が離婚し、矢野は心に傷を負った母親を放っておけず、一緒に転校します。 そして矢野は、七美の前から姿を消してしまいます……。
矢野の闇と、それぞれの悩み
矢野の闇は深く、随所にそのカケラが現れます。 時に七美を大事にしているようにも見えますが、その底にあるのは、女性への不信感なのでしょう。
でも、悩んでいるのは矢野だけではありません。 それぞれがそれぞれに思い悩み、その気持ちが伝わってくるので、誰に感情移入していいのか迷ってしまいます。
- 七美:矢野をずっと見ていると言うほど、気持ちはとても真っ直ぐ。でも、どこかで奈々の影に怯えています。
- 有里:矢野にとっては切り捨てたい過去。でも有里にとっては、大切な思い出です。
- 竹内:七美を見守る親友。けれど、その本音は……。
永遠はあるのか
そんな想いが交差する物語です。読み進めるにつれて、どんどん深くまで考え、ハマっていきます。
「永遠なんてない」。やがて大人になって、みんなそう思うようになるように、彼らも時間がたつと変わっていきます。 でも、過去がなくなったわけではなく、目の前にまた現れることだってあるでしょう。 それは、ただの過去なのか、それとも……?
この物語が結末を迎えるとき、そこに永遠はあるのでしょうか。
(この感想は、連載の途中で書いたものです。物語はその後、全16巻で完結しました。結末に「永遠」はあったのか、ぜひご自身の目で確かめてみてください。)
作品情報
- 連載:小学館『ベツコミ』(2002年5月号〜2012年3月号)
- 単行本:フラワーコミックス、全16巻で完結。2012年3月時点で累計発行部数は1200万部を突破
- 受賞:2005年、第50回小学館漫画賞(少女向け部門)
- テレビアニメ:2006年7月〜12月に放送(全26話)
- 実写映画:前篇・後篇の2部作。前篇は2012年3月17日、後篇は同年4月21日に公開。監督は三木孝浩、出演は生田斗真、吉高由里子ほか
『僕等がいた』を読む
漫画全巻ドットコムで購入できます