アウターゾーン
どんな話?
案内人のミザリーが、不思議な別世界「アウターゾーン」へといざないます。 不幸になるか、幸せをつかむかは、あなた次第。
謎の美女・ミザリーの刺激的な姿ばかり覚えている方も、少なくないのではないでしょうか。 でも、それだけの作品ではありません。いまだに覚えているストーリーがいくつもあります。
この作品が他と違うところ
一番印象に残っているのが、第2話「幸運の首」です。
ギャンブルで、2倍までの倍率なら3回まで当たりを教えてくれる幸運の首。 それを手にした青年は、ルーレットで勝負します。 大きく賭けた3回目の勝負で、なんと首は外れの出目を教えます。 けれど青年はそれを見越して、逆の出目に賭けて大勝利。 実は青年の父親は、幸運の首に騙されて破滅の道をたどっており、青年は首に復讐する機会をうかがっていたのです。 賭けに勝った青年は、愛する彼女と大金を手にしてハッピーエンド。
このストーリーが、『アウターゾーン』が他と違う決定的なところかもしれません。 似た話でいえば『笑うせぇるすまん』や、最近では『涅槃姫みどろ』などは、案内人に関わった人の多くが不幸になります。 ところがこの作品では、ミザリーに出会った人々は、逆に助かった人のほうが多いのです。 それは作者のポリシーによるところが大きいのでしょう。
不幸や絶望なんて、現実にいくらでも転がっている。 なのに、どうして物語の中でまで暗い気分にならなければならないのか。 光原先生はそう語っているそうです。 その気持ちが、奇妙な世界なのに救いのある、不思議な魅力をつくり出したのでしょう。
お気に入りのエピソード
『アウターゾーン』のハッピーエンドを、皆さんにも。いくつかお気に入りのストーリーを紹介します。
第17話「顔」
交通事故で視力を失った資産家の明。 彼のそばで、使用人の愛恵は懸命に看病し、二人は魅かれ合います。 けれど明にはフィアンセがおり、愛恵は自分の顔が醜いことに悩んでいました。 そこにミザリーが現れ、明の目を治していきます。
視力の戻った明ですが、彼の目には、他人の心が顔に写って見えるようになっていました。 美しく見えた愛恵と明は、ハッピーエンドを迎えます。 もっとも、この話は、外に出た明を心配してしまうおまけつきでした。
第34話ほか「マジックドール」
事件の巻き添えで殺されてしまった女の子・坂内マキは、実はまだ死ぬ予定ではありませんでした。 人形の体に入って、代わりの体が見つかるまでを、火牙刑事の相棒として過ごします。
さすがに、徳を積んだら生き返る、というわけにはいきませんでしたね。 胸ポケットに人形を入れて歩く火牙刑事がなんとも言えず、長く続いたシリーズものです。 二人の息の合ったコンビで、このネタだけでも一作つくれそうな感じです。
1年過ぎると人形から戻れなくなると聞いて、ようやく他の体に移る決意をするマキ。 ただし、人形の間の記憶は失ってしまいます。 それでも再び出会う二人。気のいい死神の計らいでした。
第14話「わしはサンタじゃ」
少年が出会ったくたびれたおじいさんは、こともあろうにサンタを名乗ります。 おじいさんが言うには、サンタはプレゼントをもらった子どもたちの喜びや希望、幸福感が栄養なのだそうです。 ところが最近は皆が裕福で、喜ぶどころか不審がられる始末。 弱って倒れてしまったおじいさんですが、少年に送ったプレゼント「捨てられたロボット」がヒントになります。
大人たちにも、なくしてしまった宝物をプレゼントして、その喜びのエネルギーで元気になるおじいさん。 再会を約束して、おじいさん、いえサンタクロースは去っていきます。
ただし、幸せになる人ばかりではありません。悪用した人には、不幸な展開も待っています。
第27話「見えない男」
ミザリーから、飲めば姿が消える薬を買った男。 一口飲めば24時間、全部飲めば一生、姿が消えるらしい。 一口飲んで味をしめた男は、ある意味必然のように、全部飲んでしまいます(気持ちは分かります)。
ところが、姿を消した矢先に車に轢かれた男は、助けを求めても誰にも気づかれず、朽ちていきます。 調子に乗りすぎるとダメですね。
第32話「タイムストッパー」
ミザリーから時計をひったくった少年が、いじっているうちに、その時計が時間を止められることに気がつきます。 調子に乗って使い続けた少年でしたが、周囲の時間を止めている間、自分の時間は何千倍も早く流れていました。
悪いことをすると、ちゃんと返ってくるのも、この作品の特徴です。
他にも、数々の不思議なストーリーが待っている『アウターゾーン』。ぜひ一読してみてください。
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